トップページ取組み・活動THE DRUGSTORE STORY 「ドラッグストアで生まれた幸せの物語」#11

#11:お客様からいただいた「ありがとう」の言葉

 夜8時過ぎ、突然電話が鳴った。

 受話器を取ると、間をおかずに「薬剤師さんをお願い!」という、慌てたようなお客様の第一声。
「電子レンジの卵が爆発したの……」
「熱い卵が顔に……」
「どうしたらいいの、どうしたらいいの……」
と、今にも泣き出しそうな声。
「今すぐ流水で冷やしてください」の返事に、今度は、
「どうやれば、どうやればいいの……」とのこと。
私は携帯であることを確認し、お風呂場への移動をお願いした。
そして“やけど”の応急処置は冷やし続けることが大切と伝え、洗面器に水を流しながら顔を水面につけるよう指示した。
少し落ち着かれたのを感じたので、痕が残らないように近隣の医療機関への受診を促し、また、夜間診療のため、予め急患受け入れの可否を確かめてから受診することを申し添えた。
1ヵ月程して、お客様が私を訪ねて来られた。
「あの時は本当にありがとう。お陰様でこんなに綺麗に治りました。痕が残らなくて本当に良かった……」
「病院では、すぐに冷やしたことが良かったと繰り返し言われました。ありがとうございました」
と心のこもった感謝の言葉を頂いた。
私の方も、とっさに当店に電話をかけてくださったことへのお礼を申し述べた。

 さらに嬉しかったのは、お客様から、
「ハックさんは、我が家の“救急箱”として番号を登録してあるのよ」
と聞かされたこと。
これはまさに、お店との信頼関係がすでに築かれていた証拠であり、その時、お店の幸せと共に私自身の幸せも強く実感した。

  今日、ドラッグストアは地域医療の一翼を担い、セルフメディケーションに貢献することが求められている。
この事例は小さな一例に過ぎないが、こうしたことを着実に実行し、いつしかお客様との信頼関係を築いていたお店に誇りを持った。

 私はこれからも信頼と真心を心に刻み、再びお客様は勿論のこと、お店も私も共に幸せになれるよう日々の努力を重ねたい。

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