トップページ取組み・活動THE DRUGSTORE STORY 「ドラッグストアで生まれた幸せの物語」#08

#08:お客様が笑顔に変わる瞬間

 ビューティケアを担当して3年。
特売のシャンプーをいくつ発注しようか、新商品はどうだろう。頭の中は常に業務のことでいっぱいです。

 そんな私も一度だけお客様にフルメイクをしたことがあります。

 ある日売り場を巡回していると、化粧品をじっと眺めている女性が目に留まりました。
「いらっしゃいませ。よろしければお色、お選びしましょうか?」
そう声をおかけすると、はっと顔を上げ、
「あの……相談してもいいですか?」
とお話を聞かせてくださいました。

 「もうすぐ30代なのに今までほとんどメイクをしたことがなくて、やり方もわからないんです。
でも、実は生まれて初めてデートに誘われてしまって。
やっぱり少しは可愛くしたくて……」
伏目がちに言葉を絞り出す姿を見ていて私はたまらない気持ちでうんうんと聞いていました。
そして私にできる最大限のことを考え、フルメイクを決意しました。
「かしこまりました。できる限りのお手伝いをさせていただきます!」
お客様も「ぜひお願いします」と真剣な表情。
道具の使い方や手の動かし方を1つ1つご説明し、お客様の「あ、いいかも」という反応に励まされながら手を動かし続けました。

 仕上がる頃にはお客様の表情は最初の印象とはうって変わって明るく輝いていました。
「これ、全部ください。本当に色々ありがとうございます」
「ありがとうございます。楽しんでいってらっしゃいませ!」
私も120%の笑顔でお見送りしました。

 数日後、そのお客様が再来店。
「デートうまくいったんです! ありがとう」
それを聞いて私も自分のことのように嬉しく声をあげて喜びました。
また、妹さんにもプレゼントしたいと同じものを購入いただき、本当に喜んでいただけたのだと実感しました。
きっと不慣れで改善点はいくらでもある応対だったと思います。しかしお客様に喜んでいただけたことがなにより嬉しく、この仕事を選んでよかったと思える瞬間でした。
今後もこの気持ちを忘れずに店頭に立ちたいと思います。

PAGE TOP